平成17年度本試験を各科目ごとにコメントと厳選問題の解説を行っていきます。

労動基準法及び労働安全衛生法
労働者災害補償保険法(労働保険徴収法を含む)
雇用保険法(労働保険徴収法を含む)
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識
健康保険法
厚生年金保険法
国民年金法
  



労動基準法及び労働安全衛生法


 【選択】
  労基法は、企画業務型裁量労働制と労働者派遣からの出題。
  安衛法は、機械等に関する規制からの出題でした。
  いずれも、しゃろび「ここが出る!平成17年本試験食前対策」で取り上げた箇所
  (見事的中!)
ですが、思いもよらない箇所が空白となっていたため、みなさん
  かなり苦労されたかと思います。
  おそらく救済は入るのではないかと思いますが、 2点は取っておきたいですね。
   
 
【択一】
  例年よりも長文が多く出題され、難易度も非常に高かったと思います。
  選択同様、足きりとなる4点を取るのは至難の業ですね。
  こちらも救済が入る可能性はあると思います。
  その中から厳選一問!

 [問 3] 労働基準法に定める時間外・休日労働に関する次の記述のうち、
      正しいものはどれか。

  A.派遣先の事業場において、労働基準法第36条の規定に基づく時間外労
    働・休日労働に係る労使協定(以下「36協定」という。)が締結され、これ
    が所轄労働基準監督署長に届け出られている場合においては、当該派遣
    先の使用者は、当該事業場に派遣されて現に当該使用者の指揮命令の下
    に働いている派遣労働者を、当該36協定で定める内容に従い、時間外
    労働させることができる。
  B.事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がないため労働者の過半数
    を代表する者(以下「過半数代表者」という。)との間に4月1日から1年
    間の36協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出て、その
    定めるところに従い時間外労働及び休日労働を行わせてきた事業場にお
    いて、この過半数代表者が同年10月1日の人事異動により、労働基準
    法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位に配置換えとなった。
    この場合、36協定の労働者側の締結当事者たる過半数代表者は、同法
    施行規則第6条の2第1項において、「法第41条第2号に規定する監督
    又は管理の地位にある者でないこと」とされているところから、使用者
    は、労働者に、合法的に時間外労働及び休日労働を行わせようとするな
    らば、新しく選ばれた過半数代表者との間で、新たに36協定を締結し
    直さなければならない。
  C.労働基準法第36条第2項の規定に基づき厚生労働大臣が定める「労働基
    準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基
    準」においては、36協定において1日を超える一定の期間についての延
    長することができる時間を定めるに当たっては、当該一定の期間は、1
    日を超え3か月以内の期間及び1年間としなければならないこととされ
    ていることから、 1年についての延長時間を定める36協定について
    は、有効期間は、最も短い場合でも1年間となるが、 1日及び1日を超
    え3か月以内の期間について定められた延長時間の有効期間までもすべ
    て一律に1年間としなければならないものではなく、 1日及び1日を超
    え3か月以内の期間について定められた延長時間の有効期間を1年間に
    ついての延長時間の有効期間とは別に、 1年未満とすることもできる。
  D.労働基準法第32条の2第1項の規定に基づき、1か月単位の変形労働
    時間制を採用している事業場において、就業規則で休日振替を規定して
    いる場合、ある週における1日の休日を同じ変形期間中の他の週に振り
    替えたとき、振替えによって労働日が増えた週は週の労働時間が40時
    間を超えることとなったとしても、当該事業場は1か月単位の変形労働
    時間制を採用しているところから1か月内の合計の労働時間数に変わり
    はないので、時間外労働の問題は生じない。
  E.所定労働時間が始業時刻午前8時、終業時刻午後5時(休憩が12時から
    午後1時までの1時間)である事業場において、労働基準法第41条第2
    号の監督又は管理の地位にある者が、所定労働時間を超えて深夜に及ぶ
    労働に従事した場合、午後10時から午前5時までの時間の労働につい
    ては、同法第37条の規定に従い、通常の労働時間の賃金の計算額の5
    割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

 【解答・解説】
  A.×
    → 派遣労働に関する36協定は派遣元の事業場で行う必要がある。
       (昭.61.6.6 基発333号)
       しゃろび「ここが出る!平成17年本試験食前対策」
ズバリ的中!
  B.×
    → 労働者側の過半数代表者は、協定締結の際の効力要件であるので、
       その後過半数代表者の地位でなくなってもその効力は失われない。
       (昭.36.1.6 基収6619号)
  C.○(正解)
    → 1年間についての延長時間を定めた時間外労働協定において、1日
       及び1日を超え3箇月以内の期間について定められた延長時間の
       有効期間までも1年間としなければならないこととしたものではなく、
       3箇月以内の期間についての延長時間の有効期間を、1年間につい 
       ての延長時間の有効期間とは別に、1年未満とすることも差し支えな
       い。(平.11.3.31 基発169号)
  D.×
    → 休日振替の結果、就業規則で1日8時間又は1週40時間を超える
       所定労働時間が設定されていない日又は週に1日8時間又は1週
       40時間を超えて労働させることになる場合には、その超える時間は
       時間外労働となる。(昭63.3.14 基発150号)
  E.×
    → 法第41条第2号の監督又は管理の地位にある者は、労働時間、休憩
       及び休日の規定に関しては適用除外とされるが、深夜業、年次有給
       休暇、及び産前産後に関する規定等は適用されるため、2割5分以上
       の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。



労働者災害補償保険法(労働保険徴収法を含む)


 【選択】
  適用事業についての問題。
  基本的箇所なので、4点ないし5点は取っておきたいですね。

 
【択一】
  例年よりも難易度が高かったように思います。
  徴収法においても、労災保険率をある程度覚えておかないと解けないような
  問題が出題されていたりと、みなさん苦労したのではないでしょうか?
  労基法同様救済が入る可能性はありますが、できれば4点は欲しいところ
  ですね。

 [問3] 特別支給金の支給に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A.特別支給金は、業務上の事由又は通勤による負傷、疾病、障害又は死亡
    に関する各保険給付(療養補償給付及び療養給付を除く。)のすべてに付
    帯するものとして、当該各保険給付の請求とともに行う申請に基づいて
    支給される。
  B.特別支給金は、原則として、これを受けることのできる者の申請に基づ
    き支給されるものであるが、傷病補償年金又は傷病年金の支給の決定を
    受けた者については、当分の間、傷病特別支給金の申請があったものと
    して扱って差し支えないとされている。
  C.葬祭特別支給金は、業務上の事由又は通勤により労働者が死亡した場合
    に、死亡した労働者の葬祭を行う者の申請に基づき支給される。
  D.特別支給金は、もともと事業主がその使用する労働者又はその遺族に対
    して行う例が多かったいわゆる「上積み補償」に由来するものであるの
    で、特別加入者には支給されない。
  E.二次健康診断等特別支給金を受けようとする者は、一次健康診断を受け
    た日から3か月以内に申請をしなければならない

【解答・解説】
  A.×
    → 特別支給金の種類には、一般の特別支給金として休業特別支給金、
       障害特別支給金、遺族特別支給金、傷害特別支給金があり、ボーナス
       特別支給金として、障害特別年金、障害特別一時金、障害特別年金
       差額一時金、遺族特別年金、遺族特別一時金、障害特別年金がある。
       したがって、すべての保険給付に付帯するものではない。
  B.○(正解)
    → 当分の間、事務処理の便宜を考慮し、傷病補償年金又は傷病年金の
       支給の決定を受けた者は、傷病特別支給金の申請を行ったものとして
       取り扱って差し支えないものであること。(昭56.6.27 基発393号)
  C.×
    → 解説のAのとおり。
  D.×
    → 特別加入者に対しても、一般の特別支給金の支給は行われる。ただし、
       ボーナス特別支給金はない。
       しゃろび「ここが出る!平成17年本試験食前対策」
ズバリ的中!
  E.×
    → 解説のAのとおり。



雇用保険法(労働保険徴収法を含む)

 【選択】
  失業認定と日雇労働求職者給付金からの出題。
  基本的な箇所なので、みなさん問題なく回答できたと思います。
  ここでのポイントは証明書認定ということなので、「疾病又は負傷」継続して
   「15」日未満ということですね。

 
【択一】
  基本部分からの出題が多かったので、7点前後は取れたのではないでしょうか。
  その中でもおそらく受験生を一番悩ませたのでは?という問題を解説します。

 [問3] 特定受給資格者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
      なお、その者について、他の受給資格条件は満たされているものとする。

  A.過去1年間に、事業活動の縮小に伴って、当該事業所で雇用される被保
    険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働保険被保険者を除く。)の半数
    以上が解雇や退職勧奨により離職したため、会社の将来を悲観して自ら
    退職した者は、特定受給資格者に該当する。
  B.事故の責めに帰すべき重大な理由により解雇された者は、原則として特
    定受給資格者とならないが、公共職業安定所長による宥怒が行われた場
    合には、特定受給資格者となりうる。
  C.事業所の業務が法令に違反したために離職した者は、事業主が行政機関
    から違反状態の是正を命じられたにもかかわらず合理的期間内にこれに
    従わなかった事実が認められる場合にのみ、特定受給資格者となる。
  D.期間6か月の労働契約を5回更新し、合計3年間継続勤務してきた者に
    ついては、労働者が6回目の更新を希望せず、期間の満了によって雇用
    が終了した場合であっても、特定受給資格者となる。
  E.過去1年間に「労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長
    の限度等に関する基準」が定める労働時間の延長の限度(年360時間)を
    超える時間外労働が行われたことを理由として離職した者は、離職の直
    前の3か月間の時間外労働の時間数の多寡に関わりなく、特定受給資格
    者となる。

 【解説】
  A.○(正解)
    → いろいろ書いてますが、「事業活動の縮小に伴って」というのがポイント
       ですね。
  B.×
    → 公共職業安定所長による宥怒が行われても特定受給資格者となりません。
  C.×
    → 従わなかった事実が認められなくても、特定受給資格者となります。
  D.×
    → 3年以上引き続き雇用されてはいますが、労働者は更新を希望していない
       ので、特定受給資格者となりません。 
  E.×
    → 「離職の日の属する月の前3月間」の時間外労働でないとダメです。

  ※しゃろび「ここが出る!平成17年本試験食前対策」大当たりでした!
    しゃろび会員のみなさまは正解していますよね。



労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識働者

○ 労一


 【選択】
  平成15,16年版の女性労働白書に連続して掲載された問題です。
  平成17年版労働経済白書にも掲載されています。


  Aの「『M』字型カーブ」は、ほとんどの方が解答できたのではないかと思います。
  通学されている方は資格試験予備校各校の答練での頻出の問題です。


  Bの「『45〜49』歳層」も、同じく頻出で解答しないといけない問題でした。


  Cの「『台形』型の形状」は、解答できなかった方も多かったと思いますが、
  「形状」ときているからには、カーブを表す英字の「M,N,U,V」の選択肢は×
  だと気付かなくてはなりません。半分日本語の問題です。
  よって、「三角形,台形,長方形,菱形」のうちどれかが正解の肢となりますが、
  問題の前半部分に「年齢階級別の労働力率が描くカーブが・・・」と記述して
  いる以上、グラフのカーブを言っているのであり、グラフなら菱形は存在しません。
  「日本の男性のそれ(労働力率」と同じような・・・」と記述している以上、
  三角形と長方形もおかしい。。
  従って、正解の肢は『台形』であることが分かります。
  日本語読解力試験みたいな出題でした。


  Dの「『上向き』に移動している」も「上向き,下向き,左向き,右向き」の4つのうち
  のどれかと分かりますが、グラフの「時系列比較」なんだから、「左向き」に
  移動するわけない。「右向き」に移動して当たり前。問題にならない。
  よって、「上向き」か「下向き」のどちらかであると日本語から分かります。

  ・・・ですが、『M』字型カーブが明らかな以上、その『M』のボトムから時系列に
  グラフが進むには『M』という文字の形状から『上向き』にしか移動しえないので、
  ここまでくると完全に日本語問題です。


  Eの『育児休業等に関する法律』は、一般常識的な問題ですので、しっかり学習
  されていた方は解答できる肢です。


  労一選択を総括すると5問とも正解しないといけない問題でした。
  少なくともA,C,D,Eは正答してほしいところです。


 【択一】
  今年も1問の選択肢に白書問題が出題されるというスタイルでした。
  明らかに解答を導き出せる問題であればいいのですが、法律系と白書系の
  どちらが正しいか迷うような問題はてこずった方も多かったのではないでしょうか。


 [問3] 退職金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
      なお、この問において「中退共」とは「中小企業退職金共済法」のことであり、
      「賃確法」とは「賃金の支払いの確保等に関する法律」のことである。


  A..退職金の原資管理は、現在では、社内積立による退職給与引当金制度と
     社外積立による適格退職年金制度と中退共制度のいずれかにより行われて
     いる。
  B..中退共制度においては、掛金月額は被共済者1人につき、5千円以上3万円
     以下と中退共施行規則第4条第2項に定められている。また、掛金月額を
     増額変更することはいつでもできるが、減額変更することはできない。
  C.新しく中退共制度に加入する事業主には、掛金月額の2分の1を、加入月から
     2年間、国が助成する。
  D.中退共制度においては、掛金は、被共済者である労働者の負担はなく、
     共済契約者である事業主が負担する。一方、中退共制度により退職金が
     支給される場合は、被共済者である労働者が退職したときは本人(退職が
     死亡によるものであるときは、その遺族)に支給され、共済契約者である
     事業主に支給されることはない。
  E.事業主は、賃確法第5条の規定に基づき、退職手当の全額について保全措置
     を講じなければならない。


 【解説】
  しゃろびの「一般非常識!対策」と「会員専用非常識」で予測したところからの
  出題でした。どっちも読んでいれば容易に解答できた問題です。


  A.×
    → 平成14年の税制改正で退職給与引当金制度は廃止になりました。
       また、同年には税制適格退職年金制度も廃止となりました。
       適格年金については、しゃろびの「一般非常識!対策」と「会員専用非常識」
       でこの問題について言及しています。読んだ方、良かったですね!
  B.×
    → 掛金月額の減額変更は本人の同意があれば減額可能です。
  C.×
    → 助成は2種類あり、出題された新規加入の場合と継続中の月額変更助成
       です。
       新規加入の場合、掛金月額の2分の1を、「加入後4ヶ月目」から「1年間」、
       国が助成します。
       ちなみに適格年金からの移管の場合、この新規加入助成は対象になりません。
  D.○(正解)
    → 「一般非常識!対策」の中退共で解説したとおり、中退共が退職金制度
       である以上、労働者の負担はない。よって正解。
  E.×
    → 講じなければならないのではなく、努めなければならない努力規定。
       これは容易に×と分かりますね。


○ 社一


 【選択】
  しゃろびの会員専用「ここが出る!平成17年度本試験直前対策」の選択対策
  を見た方、おめでとう!ズバリ大正解!大当たり!!
  会員登録したあなたは絶対ラッキー!
  社一選択で落とした方、悔やまないで。まだ諦めるのは早いです。
  (救済もあるかもしれない)
  平成16年版厚生労働白書からの出題でした。


  Aの「『国民皆保険』制度」はめっちゃやさしい問題。これは落とせない。


  Bの「世界最高水準の『平均寿命』」は文脈から十分解答可能な出題。
  これも取れた方が多かったと思います。


  Cの「医療費をまかない主たる財源である『保険料』」も分かりきった出題。
  『保険料』しか該当する肢がないし、保険料が財源になって医療費を給付
  している、言い方をかえれば、医療費をまかなえなくなっているからこそ
  2割負担が3割負担になったといえる。これもかなりやさしい問題でした。


  Dの「国民所得の約『8』%」は、会員専用「ここが出る!平成17年度本試験
  直前対策」の選択対策でズバリ大当たり!
読んだ会員さん、おめでとう!


  Eの「医療費の『3分の1』」も、これまた会員専用「ここが出る!平成17年度
  本試験直前対策」の選択対策でズバリ大当たり!
読んだ会員さん、おめでとう!


  社一選択を総括すると、5問とも全問正解可能な出題です。
  白書をみていない方でもA,B,Cは解答しなければいけません。


 【択一】
  社一択一は白書からの出題が1問もありませんでした。
  ほとんどが法律系の問題。
  労一択一より解答しやすかったのではないでしょうか。


 [問9] 我が国の企業年金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


  A.確定給付企業年金法では、確定給付企業年金の形態として規約型企業年金
     と基金型企業年金が規定されている。
  B.確定給付企業年金法では、年金給付の支給期間及び支払期月は、政令で
     定める基準に従い規約で定めるところによる。ただし、終身又は5年以上に
     わたり、毎年1回以上定期的に支給するものでなければならない、と規定して
     いる。
  C.確定給付企業年金法では、政令で定める場合を除き、確定給付企業年金は、
     一の厚生年金適用事業所について一に限り実施することができる、と規定して
     いる。
  D.確定拠出年金法では、企業型と個人型および折衷型の3種の確定拠出年金を
     規定している。
  E.確定拠出年金法では、企業型記録関連運営管理機関等は、毎年少なくとも
     1回、企業型年金加入者等の個人別管理資産額その他厚生労働省令で定める
     事項を当該企業年金加入者等に通知しなければならない、と規定している。


 【解説】
  A.○
    → 正解。これは解答できたでしょう。
  B.○
    → 終身又は5年以上がポイントです。正解です。
  C.○
    → 原則として、一の厚生年金適用事業所について一に限り実施することができる
       ので、正解の肢。でも分からなかったら解答に苦慮したかもしれません。
  D.×(正解)
    → 明らかに×。確定拠出年金法を学習してたら企業型と個人型の2種類しか
       ないというのは容易に解答できた問題です。
       折衷型というのは、ハイブリッドプランともいい、確定給付型年金と確定拠出型
       年金の良いとこ取りをしたものです。論点がまったく違います。
  E.○
    → これもそれほど難解ではありません。割りと素直な、問題です。




健康保険法

 【選択】
  延滞金に関する問題。
  まさかこんなところから選択問題が出るなんて誰も予想できなかったと思いますが、
  延滞金は徴収法ともかぶる箇所でもあるので、ほとんどの受験生が難なく合格点が
  取れているでしょう。まさにラッキー問題だったのでは。

 【択一】
  基本部分からの出題が多かったので、7点前後は取れたのではないでしょうか。
  その中でもおそらく受験生を一番悩ませたのでは?という問題を解説します。

 [問6] 現金給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A.高額療養費の対象となる費用については、平成12年の法改正により、
    療養に必要な費用の負担が家計に与える影響に加え、療養に要した費用
    も考慮して定めることとされ、食事療養に要した費用も含まれることと
    なった。
  B.任意継続被保険者の資格を喪失した後も傷病手当金の継続支給を受けて
    いた者が、その給付を受けなくなった日後3カ月以内に死亡した場合に
    は、埋葬料が支給される。
   C.適用事業所に使用される常勤職員であって傷病手当金の支給を受けるこ
    とができる者が、老齢基礎年金と老齢厚生年金の支給を受けることがで
    きるときは、老齢基礎年金と老齢厚生年金の合算額を360で除して得た
    額が、傷病手当金の日額より少ないときは、その差額が傷病手当金とし
    て支給される。
  D.育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法
    律に規定する介護休業期間中について、介護休業手当など、報酬と認め
    られる諸手当を受給しながら介護休業を取得しているときに病気をした
    場合は、傷病手当金は支給されない。
  E.保険者は、偽りその他不正行為によって保険給付を受けようとした者に
    対して、3カ月以内の期間を定め、その者に対する傷病手当金の全部又
    は一部の支給を制限することができる。ただし、偽りその他の不正行為
    があった日から1年を経過したときは、この限りではない。

 【解説】
  A.×
    → 食事療養に要した費用は含まれません。
  B.○(正解)
    → しゃろび「ここが出る!平成17年本試験直前対策」大当たりでした!
  C.×
    → 老齢基礎年金は調整対象となりません。
  D.×
    → 介護休業手当を受給しながらでも傷病手当金は支給されます。
  E.×
    → 「6カ月以内」の間違いです。



厚生年金保険法


 【選択】
  平成16年の年金改正からの出題。
  出題されることはある程度予想できたかもしれませんが、この問題で3点以上
  取るのは意外と至難の業である。
  特に、Dの「男子被保険者の平均標準報酬額」(×月額)、Eの「1」を回答
  できた人は少ないのでは。(救済が出るかも)

 【択一】

 [問10] 定額部分と報酬比例部分の合計額が支給される者に関する
       次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A.被保険者でなく、かつ傷病により障害等級に該当する程度の障害
    の状態にあるとき。
  B.被保険者でなく、かつ被保険者期間が43年以上あるとき。
  C.坑内員としての被保険者であった期間と船員としての技保険者
    であった期間とを合算した期間が12年以上あるとき。
  D.65歳未満の女子であって昭和20年4月1日以前に生まれた者
    であるとき。
  E.昭和20年4月2日から昭和22年4月1日までの間に生まれた
    男子が62歳に達したとき。

 【解答・解説】
  定番の特別支給の老齢厚生年金に関する出題である。問題文が短い
  ためかえってわかりにくく絞りきれなかったかもしれない。

  A.×
    → 報酬比例部分の老齢厚生年金の受給権者が、被保険者でなく、
       かつ傷病により障害等級(1〜3級)に該当する程度の障害の
       状態にあるときに定額部分と報酬比例部分の合計額(特別支給
       の老齢厚生年金)に相当する老齢厚生年金を請求することが
       できるのである。
       単に、被保険者でないだけでは決め手にかかるので誤りの枝
       とした。
       ちなみに、その傷病が治らない場合にあっては、その傷病に係る
       初診日から起算して1年6月を経過した日以後においてその傷病
       により障害等級(1〜3級)に該当する程度の障害状態にあること。
       (厚生年金保険法附則9条の2第1項)
  B.×
    → 被保険者期間が43年以上ではなく44年以上が正しい。
       (法附則9条の3第1項)
  C.×
    → 坑内員としての被保険者であった期間と船員としての技保険者
       であった期間とを合算した期間が15年以上必要。ここで15年以上
       とは被保険者期間の特例による3分の4倍又は5分の6倍をしない
       実期間で15年以上が必要。(法附則9条の4第1項)
  D.○(正解)
    → 65歳未満の女子であって昭和21年4月1日以前に生まれた者
       には60歳から定額部分と報酬比例部分の合計額(特別支給の
       老齢厚生年金)が支給される(平成6年法附則18条第1項) 
       問題文の昭和20年4月1日以前生まれのものは、当然、
       昭和21年4月1日以前生まれであるので、不自然さは残るが
       結果的に、正しい肢とした。
  E.×
    → 昭和20年4月2日から昭和22年4月1日までの間に生まれた
       男子は63歳に達すると定額部分と報酬比例部分の合計額
       (特別支給の老齢厚生年金)が支給される。62歳ではない。
       (平成6年法附則19第1項)

  ※ A→○、D→×となり、答えがAとる可能性も残るが、一応A、Dの
     解説で述べたとおり、現段階ではDを解答とする。




国民年金法


 【選択】
  国庫負担(基礎年金給付に要する費用の負担)からの出題。
  ※しゃろび「ここが出る!平成17年本試験食前対策」見事的中!
  3点は確実に取っておきたいところ。

 【択一】

 [問1] 被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  A.第1号被保険者が日本国内に住所を有しなくなった場合、その者が
    日本国内に住所を有しなくなった日の属する月以降の保険料を前納
    しているときは、日本国内に住所を有しなくなった日に任意加入被
    保険者となる申出をしたものとみなされる。
  B.日本国籍を有する者で、 日本国内に住所を有しない20歳以上65歳
    未満の任意加入被保険者が、日本国内に住所を有するに至ったとき
    は、その日に被保険者の資格を喪失する。
  C.被保険者でなかった者が第1号被保険者となった場合、60歳までに
    老齢基礎年金の受給期間を満たす見込みがないときは、資格取得日
    から60日以内に社会保険庁長官に任意脱退の承認の申請を行い、
    第1号被保険者となった日にさかのぼって被保険者とならなかったもの
    とすることができる。
  D.昭和40年4月1日以前に生まれた任意加入被保険者が65歳に達し
    た場合に、老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を有し
    ないときは、特例による任意加入の申出があったものとみなされる。
  E.60歳未満で被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる
    者は、被扶養配偶者であっても、第3号被保険者とならない。

 【解答・解説】
  資格得喪からの出題である。任意脱退承認に関するもの以外は、頻出
  事項でどのテキストにも取り上げられている基本的なところである。
  選択肢の一部に少しわかりにくい表現が見受けられるものの解答に
  影響するほどではない。
  正答率は高いと思われるが、この問題を落としてしまうとボーダーライン
  上にあるとき苦しくなってくる。

  A.×
    → 第1号被保険者が保険料を前納した後で、前納期間の経過前に
       資格喪失すると(この問題では日本国内に住所を有しなくなった
       ことで喪失する。)その者の請求に基づき、前納した保険料の中で
       未経過期間に係るものは還付される。(国民年金施行令9条) 
  B.×
    → 日本国内に住所を有するに至ったときは、その日の翌日に
       被保険者の資格を喪失する。(国民年金法附則5条8項)
  C.×
    → 任意脱退承認の申請は、資格取得日から60日以内ではなく
       3月以内に行う。申請先は社会保険庁長官で正しい。
       (国民年金法10条1・2項)
  D.○(正解)
    → その通り正しい。(平成6年国民年金法附則11条2項・
       平成16年国民年金法附則23条2項)
  E.×
    → 被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者
       であっても、第2号被保険者の被扶養配偶者(被扶養配偶者
       自身が第2号被保険者であるときを除く)であって20歳以上
       60歳未満の者は第3号被保険者となる。問題文では、第2号
       被保険者の被扶養配偶者であっても・・・となっていないので
       少し戸惑ったかもしれないが、第3号被保険者とならない。
       と断定してしまっている点とDが明確に正しいので、それほど
       躊躇せずとも×にできたものと思われる。