労動基準法
法2条第1項(労働条件の決定)、法1条第1項(労働条件の原則)、法13条(労働基準法違反の
契約)からの出題。
いずれも基本中の基本といえるところなので、受験生にとっては非常にラッキーな問題でした。
しかし、逆に言えばここで差がつくことはまず考えられないので、A.B.Cすべて正解しないとい
けません。安衛法と合わせて、4問以上は採っておきたい。
ここ最近の中では文章量が若干少なかった分、解答への負担も軽かったのではないでしょうか。
内容的にもテキストレベルの基本をしっかり押さえておけば解答できる問題が多く、逆に基本を忘
れがちなベテラン受験生(?)に限って、つまらないところで足元をすくわれたかもしれません。
5〜6問はクリアしておきたい。
【問4】 労働基準法に定める解雇等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 使用者は、労働基準法第64条の規定により、満18歳に満たない者が解雇の日から30日以
内に帰郷する場合においては、一定の場合を除き、必要な旅費を負担しなければならない。
B 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のため休業している労働者については、使用者が、労
働基準法第81条の規定によって打切補償を支払った場合(労働者災害補償保険法第19条
の規定によって打切補償を支払ったものとみなされた場合を含む。)又は天災事変その他や
むを得ない事由のために事業の継続が不可能となりその事由について行政官庁の認定を受
けた場合には、労働基準法第19条第1項の規定による解雇制限は適用されない。
C 使用者が労働基準法第20条所定の予告期間をおかず、又は解雇予告手当の支払をしない
で労働者に解雇の意思表示をした場合には、その意思表示をどのように受け取るかは労働者
の選択にまかされていると解するのが相当であるから、労働者は同条所定の解雇の予告がな
いとしてその無効を主張することができ、又は解雇の無効を主張しないで解雇予告手当の支
払を請求することができるとするのが最高裁判所の判例である。
D ある使用者が、その期間が3か月の労働契約を2回更新し、3回目を更新しないこととした。そ
の場合には、労働基準法第14条第2項の規定に基づく「有期労働契約の締結、更新及び雇
止めに関する基準」によれば、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、そ
の予告をしなければならない。
E 季節的業務に8月25日から10月30日までの雇用期間を定めて雇い入れた労働者を、使用
者が、雇入れ後1か月経過した日において、やむを得ない事由によって解雇しようとする場合
には、解雇の予告に関する労働基準法第20条の規定が適用される。
【解答・解説】
A × (法64条)
満18歳に満たない者が解雇の日から14日以内に帰郷する場合は、必要な旅費を負担しな
ければならない。
B ○ (法19条1項)
C × (細谷服装事件 最高裁 昭35.3.11)
法20条所定の予告期間をおかず、又は解雇予告手当を支払わずに行われた解雇の意思表
示は即時解雇としては効力を生じない、とするのが最高裁判例である。つまり、労働者に選択
の余地はないことになる。
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D × (法14条2項、平15.10.22厚労告357号)
雇止めの予告が必要な有期労働契約は、雇入れの日から起算して1年を超えて継続雇用し
ているものに限られる。(平16問2の類題)
E × (法20条、21条)
法20条の解雇予告の規定の適用除外は、
@ 日々雇入れられる者
A 2か月以内の期間を定めて使用される者
B 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者
C 試の使用期間中の者
である。本問は季節的業務に就く者なので、10月30日(所定の期間)を超えて雇用された場
合には、Bに該当する者として適用が除外される。
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