労動者災害補償保険法




 今年の選択式は、非常に難しかったのではないでしょうか。出題自体が非常にマイナーな通達の
 名称を問うものですが、この通達名を知らなくても、選択肢の中からBには過労死等の原因となる
 疾病が、Dには精神障害等の要因となる言葉が入ることが推測できれば解答できたはずです。
 ただし、この問題に関しては、正解率が低いことが予想されるので、救済措置の可能性があります。



 保険給付に関しては基本的な問題が多かったが、その他の通則や雑則からの出題には比較的
 難易度の高い問題もあり、回答に苦労した受験生も多かったのでは。
 といっても、基本的な問題を押さえておけば4〜5問は正解できるはずです。



 【問5】
 次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 A 労災保険法は、国の直営事業及び官公署の事業(労働基準法別表第1に掲げる事業を除く。)
   には適用されないが、独立行政法人(独立行政法人通則法第2条第2項に定める特定独立行
   政法人を除く。)の職員には適用される。

 B 労働者がその過失により負傷、疾病、障害又は死亡若しくはこれらの原因となった事故を生じ
   させ、又は負傷、疾病若しくは障害の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げた場合におい
   ても、その過失が重大なものでない限り、その保険給付の支給制限は行われない。

 C 保険給付を受ける権利は、独立行政法人福祉医療機構法の定めるところにより年金たる保険
   給付を受ける権利を独立行政法人福祉医療機構に担保に供する場合を除き、譲り渡し、担保
   に供し、又は差し押さえることができない。

 D 労災保険に関する書類には印紙税が課されるが、保険給付として支給を受けた金品について
   は、これを標準として租税その他の公課が課されることはない。

 E 労災保険法に基づく政令又は厚生労働省令は、その草案について、労働政策審議会の意見
   を聞いて、制定される。


 【解答・解説】

 A ○ (法3条第2項、平13.2.21基発93号)
   特定独立行政法人の職員には労災保険法の適用はないが、独立行政法人の職員には労災
   保険法が適用される。
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 B ○ (法12条の2の2第2項、昭40.7.31基発901号)
   法12条の2の2
第2項の規定は、業務上とならない事故について確認的に定めたものであっ
   て、労基法78条の規定で、重大な過失による事故のみについて定めていることと対応するも
   のである。
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 C ○ (法12条の5)

 D ×(法12条の6、法44条)
   労災保険に関する書類には、印紙税が課されない。後段は正しい。

 E ○ (法5条)