労務管理その他の労働に関する一般常識



 労一選択は、日本国憲法第28条、労働組合法及び労働関係調整法からの出題でした。
 日本国憲法第28条、労働組合法は平成13年に出題実績がありますが、日本国憲法の労働三
 権が解答できれば、あとはすんなり答えられる問題でした。4点は確保できることから救済の入
 る見込みは薄いと思われます。
 AとBは、「労働保険の会員専用非常識!の部−日本国憲法A−と労働保険の会員専
 用非常識!の部−労働組合法A−
」ズバリ的中!(大当たり)でした。



 今年も例年通り、労一については、白書系の問題が5問中3問出題されました。今回は、青少年
 白書からの出題もあり、トレンドの変遷を重視した出題内容となっています。
 法律系は、最低賃金法、労働者派遣法、職業能力開発促進法と昨今の雇用失業情勢に関連す
 る問題が多く出題されています。
 本試験対策としては、早い頃からの白書系の学習に加えて選択・択一ともトレンドの把握が欠か
 せなくなってきている、といえます。



 【問2】 最低賃金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
      なお、この問おいて「法」とは「最低賃金法」のことであり、労働者派遣法とは「労働者派
      遣事業の適正な運営の確保及ぴ派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」のこ
      とである。
      
 A 法第3条において、「最低賃金法(最低賃金において定める賃金の額をいう。)は、時間又は
   日によって定めるものとする。」と定められている。

 B 法第9条第2項において、「地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及ぴ賃金並び
   に企業収益を考慮して定められなければならない。」とされ、同条第3項において、「労働者の
   生計費を考慮するに当たっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができ
   るよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。」と定められている。

 C 労働者派遣法第44条第1項に規定する派遣中の労働者については、平成21年4月1日以降
   に派遣する場合、法第13条の規定により、当該派遣元の事業の事業場の所在地を含む地域
   について決定された地域別最低賃金が適用される。

 D 法第8条において、「最低賃金の適用を受ける使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、
   当該最低賃金の概要を、常時作業場の見やすい場所に掲示し、又はその他の方法で、労働
   者に周知させるための措置をとらなければならない。」と周知が義務化されており、法第41条
   第1号において、法第8条に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃
   金に係るものに限る。)に対する罰則が定められている。

 E 法第34条において、監督機関に対する申告が規定されており、同条第1項において「労働者
   は、事業場にこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実
   を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は公共職業安定所長に申告して是正のため適
   当な措置をとるように求めることができる。」と定められ、同条第2項において「使用者は、前項
   の申告をしたことを理由として、労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
   」と定められ、法第39条において、法第34条第2項の規定に違反した者に対する罰則が定め
   られている。


 【解答】

 D
 どれももっともらしい問題にみえますが、最低賃金法について正しい理解をしていた方は、容易
 に解答できた問題でした。
 労一択一については、冒頭述べたとおり、白書系の問題が多いため、早めの白書対策が必要に
 なってきていますが、法律系で落としてしまうとフォローが効かなくなりますので、その点注意して
 「法律系を落とさない」対策が必須といえます。