厚生年金保険法



 法43条第1項、法43条の2第1項、法43条の3第1項からの出題で、老齢厚生年金額、再評価
 率の改定等に関する問題です。選択肢の中にいくつか紛らわしい用語が含まれていますが、出
 題自体は決して難しくないので3点は確保できると思います。救済はないものと考えた方がいい
 でしょう。
 


 迷うとすれば【問7】ですが、過去に出題実績のあるところからの出題が多いので、横断学習を含
 め基本事項を押えていれば得点しやすかったのではないでしょうか。



 【問1】 厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 A 老齢厚生年金の受給資格要件を満たしている被保険者(障害等級1級又は2級に該当する障
   害厚生年金の受給権者を除く。)が死亡したときは、その遺族が遺族厚生年金を請求したとき
   に別段の申出をした場合を除き、厚生年金保険法第58粂第1項第1号(短期要件)に該当し、
   同条第1項第4号(長期要件)には該当しないものとみなされる。

 B 70歳に達した者であって、その者が老齢厚生年金の支給繰下げの申出を行った場合に支給
   する老齢厚生年金の額に加算する額は、繰下げ対象額(在職老齢年金の仕組みにより支給
   停止があったと仮定しても支給を受けることができた(支給停止とはならなかった)額に限られ
   る。)から経過的加算額を控除して得られた額に増額率を乗じて得られる額である。

 C 遺族厚生年金の受給権者が子(障害等級に該当しないものに限る。)であるとき、当該子が
   18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了して受給権を失権したときは、10日以内に失
   権の届書を日本年金機構に提出しなくてはならない。

 D 障害手当金は、疾病にかかり、又は負傷し、その傷病に係る初診日において被保険者(その
   前日において保険料納付要件を満たしている者に限る。)であった者が、障害認定日から起算
   してその傷病により政令で定める程度の障害の状態に該当することなく3年を経過した者に支
   給する。

 E 厚生年金基金の設立事業所に使用される70歳以上の者であって、保険料負担と納付につい
   て事業主の同意が得られない者は、保険料の全額を本人が負担し、厚生労働大臣に申し出る
   ことによって当該基金の加入員になることができる。
 
 
 【解答・解説】

 A ○ (法58条第1項、第2項)

 B × (法44条の3、令3条の5の2)
   問題文最後のところが「経過的加算額を控除して得られた額に増額率を乗じて得られる額で
   ある。」となっているが、経過的加算額は加算するので、「経過的加算額を加算して得られた
   額に増額率を乗じて得られる額である。」となる。
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 C × (法98条第3項、則63条)
   本肢の場合は、届出の義務はない。

 D × (法55条第1項)
   3年ではなく、5年を経過した者に支給される。
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 E × (法附則4条の4) 
   保険料負担と納付について事業主の同意が得られない者は、基金の加入員になることができ
   ない。