労動者災害補償保険法



 今年度の労災の選択式は、昨年度と大きく異なり、テキストで学習している範囲から出題されて
 いますので、確実に得点源となっていると思われます。
 1.は打切補償の問題(といっても、「打切補償」そのものを選択する問題)でした。
 2.については、第三者行為災害からの出題ですが、少し細かい部分から出題されていますの
 で、悩まれた方がいるかもしれません。全体を通じて最低でも4問は確保しておきたい。
 


 択一式も昨年と異なり、テキストレベルの出題が多かったと思われます。昨年かなり難易度の高
 かった厚労省指針等からの出題についても、今年は1問だけだったので、得点しやすかったので
 はないでしょうか。
 内容を見ると、【問5】の特別加入と【問7】の精神障害の認定基準あたりが解答しにくい出題であ
 ったと思われます。7問中5問くらい取れていれば大丈夫でしょう。
 


 【問7】 厚生労働省労働基準局長通知(「心理的負担による精神障害の認定基準について」平成
      23年12月26日付け基発1226号第1号。以下「認定基準」という。)に関する次の記述
      のうち、誤っているものはどれか。なお、本問において「対象疾病」とは、「認定基準で対
      象とする疾病」のことである。

 A 認定基準においては、次のいずれの要件も満たす場合に、業務上の疾病として取り扱うこと
   としている。
   @ 対象疾病を発病していること。
   A 対象疾病の発病前おおむね6 か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること。
   B 業務以外の心理的負荷及び個体側要因により対象疾病を発病したとは認められないこと。

 B 認定基準における対象疾病の発病に至る原因の考え方は、環境由来の心理的負荷(ストレ
   ス)と、個体側の反応性、脆弱性との関係で精神的破綻が生じるかどうかが決まり、心理的負
   荷が非常に強ければ、個体側の脆弱性が小さくても精神的破綻が起こるし、逆に脆弱性が大
   きければ、心理的負荷が小さくても破綻が生ずるとする「ストレス−脆弱性理論」に依拠している。

 C 認定基準においては、「業務による強い心理的負荷」について、精神障害を発病した労働者が
   その出来事及び出来事後の状況が持続する程度を主観的にどう受け止めたかではなく、同
   種の労働者が一般的にどう受け止めるかという観点から評価されるとしている。

 D 認定基準においては、例えば対象疾病の発病直前の3週間におおむね120時間以上の時間
   外労働を行っていたときには手待時間が多いなど労働密度が特に低い場合を除き、心理的
   負荷の総合評価を「強」と判断するとしている。

 E 認定基準においては、労災保険法第12条の2の2が労働者が故意に死亡したときは、政府
   は保険給付を行わないと規定していることから、業務により精神障害を発病したと認められる
   者が自殺を図った場合には、業務起因性は認められないとしている。
 
 
 【解答・解説】

 すべて 「心理的負担による精神障害の認定基準について」(平23.12.26基発1226号第1号)から
 の出題

 「ここが出る!平成24年度本試験直前対策」 ズバリ的中!


 A ○
 B ○
 C ○
 D ○
 E ×
   業務によりICD−10のF0からF4に分類される精神障害を発病したと認められる者が自殺を
   図った場合には、精神障害によって正常の認識、行為選択能力が著しく阻害され、あるいは
   自殺行為を思いとどまる精神的抑制力が著しく阻害されている状態に陥ったものと推定し、業
   務起因性を認める。