労働基準法
 年次有給休暇中の賃金(健康保険法改正による文言整理)
平成28年4月1日施行
重要度 ★★☆


 ■ 法39条第7項

使用者は、第1項から第3項までの規定による有給休暇の期間又は第4項の規定による有給休暇の時間については、就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより、それぞれ、平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又はこれらの額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額の賃金を支払わなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その期間又はその時間について、それぞれ、健康保険法第40条第1項に規定する標準報酬月額の30分の1に相当する金額(その金額に、5円未満の端数があるときは、これを切り捨て、5円以上10円未満の端数があるときは、これを10円に切り上げるものとする。)又は当該金額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した金額を支払う旨を定めたときは、これによらなければならない。

 ■ 解説
年次有給休暇中の賃金について、健康保険法改正に伴う所要の文言整理が行われた。
 
 休憩時間の自由利用の適用除外者に家庭的保育者が追加
平成27年4月1日施行
重要度 ★★☆


 ■ 則33条

子ども・子育て支援法の施行に伴い、休憩時間の自由利用の適用除外者に家庭的保育者が追加された。この休憩時間を自由に利用させないことについて、所轄労働基準監督署長の許可を受ける必要はない

 ■ 解説
家庭的保育者とは、児童福祉法に規定する居宅訪問型保育事業に使用される労働者のうち、一定の要件に該当する者である。居宅訪問型保育事業は、保育者と児童が原則1対1で保育を行うことや対象が障害児や夜間・深夜の保育のため休憩時であっても長時間児童の元を離れることが困難であること等の理由から、休憩時間の自由利用の適用除外とされた。
 
 年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の取扱い
平成25年7月10日施行
重要度 ★★☆


 ■ 出勤率の基礎となる全労働日(基発0710第3号)

年次有給休暇の請求権の発生について、法第39条が全労働日の8割出勤を条件としているのは、労働者の勤怠の状況を勘案して、特に出勤率の低い者を除外する立法趣旨であることから、全労働日の取扱いについては、次のとおりとする。

(1) 年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の日数は就業規則その他によって定められた
   所定休日を除いた日をいい、各労働者の職種が異なること等により異なることもあり得る。
   したがって、所定の休日に労働させた場合には、その日は、全労働日に含まれないもの
   である。

(2)
労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日は、下記(3)に該当する場合を
   除き、出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれ
   るものとする。
   例えば、裁判所の判決により解雇が無効と確定した場合や、労働委員会による救済命令
   を受けて会社が解雇の取消しを行った場合の解雇日から復職日までの不就労日のよう
   に、労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなか
   った日が考えられる。

(3)
労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日であっても、次に掲げる日のよ
   うに、当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でないものは、全労
   働日に含まれないものとする。
  @ 不可抗力による休業日
  A 使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日
  B 正当な同盟罷業その他正当な争議行為により労務の提供が全くなされなかった日

 ■ 解説
従来、「使用者の責に帰すべき事由による休業の日は」全労働日から除く取り扱いが行われていた。ところが、八千代交通事件(H25.6.6)最高裁判決において労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえない不就労日は、出勤率の算定にあたり、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に算入することとされた。
 
 ■ 参考:判例要旨(平成25.6.6 最高裁判決) 八千代交通事件
労働基準法39条第1項及び2項における前年度の全労働日に係る出勤率が8割以上であることという年次有給休暇権の成立要件は、法の制定時の状況等を踏まえ、労働者の責めに帰すべき事由による欠勤率が特に高い者をその対象から除外する趣旨で定められたものと解される。このような同条1項及び2項の規定の趣旨に照らすと、前年度の総暦日の中で、就業規則や労働協約等に定められた休日以外の不就労日のうち、労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえないものは、不可抗力や使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日等のように当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でなく全労働日から除かれるべきものは別として、上記出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものと解するのが相当である。
無効な解雇の場合のように労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日は、労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえない不就労日であり、このような日は使用者の責めに帰すべき事由による不就労日であっても当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でなく全労働日から除かれるべきものとはいえないから、労働基準法39条第1項及び2項における出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものというべきである。
 
 労働条件の絶対的明示事項の追加等
平成25年4月1日施行
重要度 ★★★

 ■ 則5条第1号の2
使用者が法第15条第1項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件は、次に掲げるものとする。
ただし、第1号の2に掲げる事項については期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の場合に限り、第4号の2から第11号までに掲げる事項については使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでない。
1      省略
1の2    期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
1の3以下 省略
 ■ 解説
労働政策審議会建議「有期労働契約の在り方について(平成23年12月26日)」の中で契約更新の判断基準は、労働基準法第15条第1項後段の規定による明示(書面による明示)をすることが適当とされたことを受け、労働条件の絶対的明示事項に追加された。
「有期労働契約の継続・終了に係る予測可能性と納得性を高め、有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する紛争防止に資するためである。これを踏まえ、労働基準法施行規則並びに有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(以下「雇止めに関する基準」という。)が改正され、「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項」については、労働基準法第15条第1項に基づく明示事項として位置づけられる。
 
 ■ 参考(労働条件の絶対的明示事項)
労働条件の絶対的明示事項
・ 労働契約の期間に関する事項
・ 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項(期間の定めのある労働契約で
 あって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の場合
 に限る。)
・ 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
・ 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者
 を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
・ 賃金(退職手当等の臨時の賃金等を除く。)の決定、計算及び支払の方法、 賃金の締切り及び
 支払の時期並びに昇給に関する事項
・ 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
 
 雇止めに関する基準の改正
平成25年4月1日施行
重要度 ★☆☆

 雇止めに関する基準第1条
使用者は、期間の定めのある労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。(以下省略)
 ■ 解説
 「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項」が法定の明示事項とされたことにより「雇止めに関する基準」の所要の改正が行われた。なお、「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項」を明示しない場合には、労働基準法第15条第1項違反として罰則(30万円以下の罰金)の適用対象とされる。(労働基準法120条、労働基準法施行規則5条)
 
 国有林や事業の職員が労基法の適用除外とされた
平成25年4月1日施行
重要度 ★☆☆

 ■ 解説
国有林野の有する公益的機能の維持増進を図るための国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する等の法律、特定独立行政法人の労働関係に関する法律の改正により、国有林野事業の職員について「国家家公務員法」の適用を受けることとされ、労働基準法の適用が除外されることになった。
 
 母性保護のため生殖機能などに有害な物質が発散する場所での
 女性の就業禁止を強化
平成24年10月1日施行
重要度 ★☆☆

 女性労働基準規則2条第1項18号等
1.妊娠や出産・授乳機能に影響のある25の化学物質(従来の規制対象は9物質)を規制対象とし、これらを扱う作業場のうち、@労働安全衛生法令に基づく作業環境測定を行い、「第3管理区分」(規制対象となる化学物質の空気中の平均濃度が規制値を超える状態)となった屋内作業場での業務、Aタンク内、船倉内での業務など、規制対象となる化学物質の蒸気や粉じんの発散が著しく、呼吸用保護具の着用が義務づけられている業務については、妊娠の有無や年齢などにかかわらず全ての女性労働者の就業が禁止されることになった。(平成24年10月1日施行)

2.以下の業務を女性の就業禁止業務に追加(平成25年1月1日施行)
@エチルベンゼンについて
・第3管理区分に区分された屋内作業場における業務
・エチルベンゼン塗装業務であって送気マスク等を使用する必要がある業務
A既に女性労働基準規則の対象となっているエチレンオキシドに係る濃度測定業務等であって送気マスク等を使用する必要がある業務
 ■ 解説
労基法、女性労働基準規則では、女性の妊娠又は出産に係る機能に有害である業務(重量物取扱業務及び有害物を発散する場所における業務)について、妊産婦に限らずすべての女性労働者の就業を禁止している。
今回、「有害物を発散する場所における業務」に係る有害物の範囲について、母性保護に係る専門家会合報告書が「生殖毒性若しくは生殖細胞変異原性が区分1又は授乳影響ありに該当する物質」とすることが適当とされたことに伴い、規制対象となる有害物の範囲が変更された。
 
 休憩時間自由利用の適用除外に関する対象施設の名称変更
平成24年4月1日施行
重要度 ★☆☆

 ■ 則33条第1項
法34条第3項(休憩時間の自由利用)の規定は、次の各号のいずれかに該当する労働者については適用しない。
@ 省略
A 乳児院、児童養護施設及び障害児入所施設に勤務する職員で児童と起居をともにする者
 ■ 解説
従来、「乳児院、児童養護施設、知的障害時施設、盲ろうあ児童施設及び肢体不自由児施設」とされていたが、名称が変更された。
 
 休業手当の取扱い
平成23年3月15日施行
重要度 ★☆☆

 ■ 計画停電が実施される場合の労働基準法26条の取扱いについて
   (平成23年3月15日 基監発0315第1号)
1 計画停電の時間帯における事業場に電力が供給されないことを理由とする休業については、原則として法26条の使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しないこと

2 計画停電の時間帯以外の時間帯の休業は、原則として法26条の使用者の責に帰すべき事由による休業に該当すること。ただし、計画停電が実施される日において、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて休業とする場合であって、他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、計画停電の時間帯のみを休業とすることが企業の経営上著しく不適当と認められるときには、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて原則として法26条の使用者の責に帰すべき事由による休業には該当しないこと。

3 計画停電が予定されていたため休業としたが、実際には計画停電が実施されなかった場合については、計画停電の予定、その変更の内容やそれが公表された時期を踏まえ、上記1及び2に基づき判断すること。
 ■ 解説
平成23年東北地方太平洋沖地震により電力会社の電力供給設備に大きな被害が出ていること等から、不測の大規模停電を防止するため、電力会社において地域ごとの計画停電が行われているため、発せられた休業手当の取扱いに関する通達である。
 
 業務上の疾病の範囲の改正
平成22年5月7日施行
重要度 ★★☆

 ■ 則別表1の2
(8号) 長期間にわたる長時間の業務その他血管病変等を著しく増悪させる業務による脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症、心筋梗塞、狭心症、心停止(心臓性突然死を含む。)若しくは解離性大動脈瘤又はこれらの疾病に付随する疾病

(9号) 人の生命にかかわる事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事象を伴う業務による精神及び行動の障害又はこれに付随する疾病
 ■ 解説
新たな医学的知見の公表等の状況、あるいは疾病の発生状況等を踏まえた労働基準
法施行規則第35条専門検討会の報告書に基づき、労災補償の対象疾病の範囲を定めている規定(労働基準法施行規則別表第1の2が改正された。
今改正は、労働基準法施行規則別表第1の2に新たに疾病(※)を例示する等の見直しを行ったものである。
 
@ 8号は、労災保険法における「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く)
  の認定基準」に基づき、具体的に例示したもの
A 9号は、労災保険法における「心理的負担による精神障害等に係る業務上外の判断指針」に
  基づき、具体的に例示したもの
 
 法定割増賃金率の引上げ
平成22年4月1日施行
重要度 ★★★

 ■ 法37条第1項
使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が1か月について60時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
 ■ 解説
従来、法定労働時間(1週40時間、1日8時間)を超える時間外労働(法定時間外労働)に対しては、使用者は25%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならなかったが、今改正により1か月60時間を超える法定時間外労働に対しては、使用者は50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないこととなった。
 
 ■ 改正のポイント
@ 
深夜労働との関係(平21.5.29 基発第0529001号)
深夜(22:00〜5:00)の時間帯に1か月60時間を超える法定時間外労働を行わせた場合は、深夜割増賃金率25%以上+時間外割増賃金率50%以上=75%以上となる。
 
A 
法定休日労働との関係(平21.5.29 基発第0529001号)
1か月60時間の法定時間外労働の算定には、法定休日(※)に行った労働は含まれないが、それ以外の休日(所定休日)に行った法定時間外労働は含まれる。(図1参照)
 
「法定休日」
使用者は、1週間に1日または4週間に4回の休日を与えなければならない。(法35条)
 
【図1】
 
 
 代替休暇制度
平成22年4月1日施行
重要度 ★★☆

 ■ 法37条第3項
使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第1項ただし書の規定により割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(第39条の規定による有給休暇を除く。)を厚生労働省令で定めるところにより与えることを定めた場合において、当該労働者が当該休暇を取得したときは、当該労働者の同項ただし書に規定する時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚生労働省令で定める時間の労働については、同項ただし書の規定による割増賃金を支払うことを要しない。
 ■ 解説
1か月60時間を超える法定時間外労働を行った労働者の健康を確保するため、引上げ分の割増賃金の代わりに有休の休暇(代替休暇)を付与することができることとなった。(図2参照)
 
【図2】
 
 
 ■ 改正のポイント
以下の@からCまでの事項について、労使協定で定めなければならない。(則19条の2第1項、平21.5.29 基発0529001号)
 
@ 
代替休暇の時間数の具体的な算定方法(則19条の2第2項)
 <算定方法の具体例>
 代替休暇の時間数(※) = (1か月の法定時間外労働時間数−60)×換算率
 換算率 = 代替休暇を取得しなかった場合に支払うこととされている割増賃金率 
         −代替休暇を取得した場合に支払うこととされている割増賃金率
 ※代替休暇の時間数は、1か月60時間を超える法定時間外労働時間に対する引上げ分の割増
   賃金額に対応する時間数となる。
 <図2の場合>
 代替休暇を取得しなかった場合に支払うこととされている割増賃金率 → 1.50
 代替休暇を取得した場合に支払うこととされている割増賃金率 → 1.30
 換算率 = 1.50−1.30 = 0.20 となる。
 したがって、
 代替休暇の時間数 = (80−60)×0.20 = 4時間 となる。
 
A 
代替休暇の単位
代替休暇は1日又は半日を単位とする。ただし、労使協定で端数として出てきた時間数に、他の有給休暇を合わせて取得することを認めた場合は、代替休暇と他の有給休暇を合わせて1日又は半日の単位として与えることができる。
 
B 
代替休暇を与えることができる期間
代替休暇は、法定時間外労働が1か月60時間を超えた月の末日の翌日から2か月間以内の期間で与えなければならない。
 <取得期間の具体例>
 所定労働時間8時間、労使協定にて代替休暇の取得期間を法定時間外労働を行った月の末日
 の翌日から2か月としている場合
 ・ 4月に1か月60時間を超える法定時間外労働時間 6時間 → 5〜6月に取得可能
 ・ 5月に1か月60時間を超える法定時間外労働時間 2時間 → 6〜7月に取得可能
 この場合、6月には、6時間+2時間=8時間として1日の代替休暇を取得できる。
 
C 
代替休暇の取得日の決定方法、割増賃金の支払日
 <決定方法の具体例>
 月末から5日以内に使用者が労働者に代替休暇を取得するかどうかを確認し、取得の意向が
 ある場合は取得日を決定する。
 <割増賃金の支払日>
 
 
 
 法定割増賃金率の引上げの猶予
平成22年4月1日施行
重要度 ★★★

 ■ 法附則138条
中小事業主(その資本金の額又は出資の総額が3億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については5,000万円、卸売業を主たる事業とする事業主については1億円)以下である事業主及びその常時使用する労働者の数が300人(小売業を主たる事業とする事業主については50人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については100人)以下である事業主をいう。)の事業については、当分の間、第37条第1項ただし書(法定割増賃金率の引上げ)の規定は、適用しない。
 ■ 解説
猶予される中小企業
 

※事業単位ではなく、企業単位である。
 
 時間単位年休制度
平成22年4月1日施行
重要度 ★★★

 ■ 法39条第4項
使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、第1号に掲げる労働者の範囲に属する労働者が有給休暇を時間を単位として請求したときは、前3項の規定による有給休暇の日数のうち第2号に掲げる日数については、これらの規定にかかわらず、当該協定で定めるところにより時間を単位として有給休暇を与えることができる。
1.時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲
2.時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(5日以内に限る。)
3.その他厚生労働省令で定める事項
 ■ 解説
仕事と生活の調和を図る観点から、年次有給休暇を有効活用できるよう、労使協定により時間単位で年次有給休暇を付与できるようになった。
 
 ■ 改正のポイント
以下の事項を労使協定で定めることにより、年5日を限度として、時間単位年休を与えることができる。(則24条の4、平21.5.29 基発0529001号)
 
@ 
時間単位年休の対象労働者の範囲
対象外とすることができるのは、「事業の正常な運営を妨げる」場合に限られる。
 <例>
 ○ 工場のラインで働く労働者を対象外とする。
 × 育児を行う労働者に限る。 → 取得目的による制限のため
 
A 
時間単位年休の日数
5日以内の範囲で定める。
※前年度からの繰越しがある場合は、繰越分を含めて5日以内となる。
 
B 
その他厚生労働省令で定める事項
 1.時間単位年休の1日の時間数
  1日の所定労働時間数に基づき設定する。
  ただし、1時間に満たない端数がある場合は、1時間に切り上げて計算する。
  <例>
  所定労働時間7時間30分 → 8時間 として計算する。
 2.1時間以外の時間を単位とする場合のその時間数
 
 「時間外労働の限度に関する基準」の見直し
平成22年4月1日施行
重要度 ★★☆

 ■ 解説
現行では、法定時間外労働を行わせるためには、労使協定(いわゆる「36協定」)を締結しなければならず、当該協定の1日を超え3か月以内の期間、1年間の期間について限度時間を超えて労働させる場合には、時間数や手続等について、「特別条項付き36協定」を締結しなければならないが、この「特別条項付き36協定」の締結の際に、新たに、@の事項を定める必要があり、A、Bの事項が努力義務となった。
 
@ 
限度時間を超えて労働させる一定期間(1日を超え3か月以内の期間、1年間)ごとに割増賃金率を定める。
 
A 
@の率を法定割増賃金率(2割5分以上)を超える率とするよう努める
 
B 
延長することができる時間を短くするよう努める
 
 「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」の一部
 改正
平成20年3月1日施行
重要度 ★★☆

 ■ 解説
「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」のうち、「雇止めの予告(第2条)」及び「雇止めの理由の明示(第3条)」の対象となる有期労働契約の範囲に、「契約を3回以上更新した場合」が含まれるようになった。(平20厚労告12号)