5月22日発行


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2026年5月22日発行 No.8(通算542号)
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▼【しゃろび見落としてはいけない重要判例】


こんにちは。しゃろび見落としてはいけない重要判例担当のたかくんです。

日中はすっかり暑さを感じる季節になりましたが、気候の変化は、
勉強のペースにも影響するものです。少しずつ直前対策を意識
してギアが上がってきた方も多いのではないでしょうか。
今回は、安全配慮義務に関する判例です。過去問は労一からの
出題です。

■東芝うつ病解雇事件(最高裁H26.3.24 第2小法廷判決)
上告人は、本件鬱病の発症以前の数か月において、前記2(3)
のとおりの時間外労働を行っており、しばしば休日や深夜の勤務
を余儀なくされていたところ、その間、当時世界最大サイズの
液晶画面の製造ラインを短期間で立ち上げることを内容とする
本件プロジェクトの一工程において初めてプロジェクトのリーダー
になるという相応の精神的負荷を伴う職責を担う中で、業務の
期限や日程を更に短縮されて業務の日程や内容につき上司
から厳しい督促や指示を受ける一方で助言や援助を受けられず、
上記工程の担当者を理由の説明なく減員された上、過去に経験
のない異種製品の開発業務や技術支障問題の対策業務
を新たに命ぜられるなどして負担を大幅に加重されたもので
あって、これらの一連の経緯や状況等に鑑みると、上告人の
業務の負担は相当過重なものであったといえる。

上記の業務の過程において、上告人が被上告人に申告しなかった
自らの精神的健康(いわゆるメンタルヘルス)に関する情報は、
神経科の医院への通院、その診断に係る病名、神経症に適応
のある薬剤の処方等を内容とするもので、労働者にとって、
自己のプライバシーに属する情報であり、人事考課等に影響し
得る事柄として通常は職場において知られることなく就労を
継続しようとすることが想定される性質の情報であったといえる。
使用者は、必ずしも労働者からの申告がなくても、その健康に
関わる労働環境等に十分な注意を払うべき安全配慮義務を
負っているところ、上記のように労働者にとって過重な業務が
続く中でその体調の悪化が看取される場合には、上記のような
情報については労働者本人からの積極的な申告が期待し難い
ことを前提とした上で、必要に応じてその業務を軽減するなど
労働者の心身の健康への配慮に努める必要があるものという
べきである。

また、本件においては、上記の過重な業務が続く中で、上告人
は、平成13年3月及び4月の時間外超過者健康診断において
自覚症状として頭痛、めまい、不眠等を申告し、同年5月頃から、
同僚から見ても体調が悪い様子で仕事を円滑に行えるようには
見えず、同月下旬以降は、頭痛等の体調不良が原因であること
を上司に伝えた上で1週間以上を含む相当の日数の欠勤を
繰り返して予定されていた重要な会議を欠席し、その前後には
上司に対してそれまでしたことのない業務の軽減の申出を行い、
従業員の健康管理等につき被上告人に勧告し得る産業医に
対しても上記欠勤の事実等を伝え、同年6月の定期健康診断
の問診でもいつもより気が重くて憂鬱になる等の多数の項目の
症状を申告するなどしていたものである。

このように、上記の過重な業務が続く中で、上告人は、上記の
とおり体調が不良であることを被上告人に伝えて相当の日数の
欠勤を繰り返し、業務の軽減の申出をするなどしていたもの
であるから、被上告人としては、そのような状態が過重な業務に
よって生じていることを認識し得る状況にあり、その状態の悪化
を防ぐために上告人の業務の軽減をするなどの措置を執ること
は可能であったというべきである。
これらの諸事情に鑑みると、被上告人が上告人に対し上記の
措置を執らずに本件鬱病が発症し増悪したことについて、
上告人が被上告人に対して上記の情報を申告しなかったことを
重視するのは相当でなく、これを上告人の責めに帰すべきもの
ということはできない。

以上によれば、被上告人が安全配慮義務違反等に基づく損害
賠償として上告人に対し賠償すべき額を定めるに当たっては、
上告人が上記の情報を被上告人に申告しなかったことをもって、
民法418条又は722条2項の規定による過失相殺をすることは
できないというべきである。

また、本件鬱病は上記のように過重な業務によって発症し増悪
したものであるところ、上告人は、それ以前は入社以来長年に
わたり特段の支障なく勤務を継続していたものであり、また、
上記の業務を離れた後もその業務起因性や損害賠償責任等が
争われて複数の争訟等が長期にわたり続いたため、その対応
に心理的な負担を負い、争訟等の帰すうへの不安等を抱えて
いたことがうかがわれる。これらの諸事情に鑑みれば、原審が
摘示する前記3(2)の各事情をもってしてもなお、上告人に
ついて、同種の業務に従事する労働者の個性の多様さとして
通常想定される範囲を外れるぜい弱性などの特性等を有して
いたことをうかがわせるに足りる事情があるということはできない
(最高裁平成10年(オ)第217号、第218号同12年3月24日
第二小法廷判決・民集54巻3号1155頁参照)。

以上によれば、被上告人の安全配慮義務違反等を理由とする
上告人に対する損害賠償の額を定めるに当たり過失相殺に
関する民法418条又は722条2項の規定の適用ないし類推適用
によりその額を減額した原審の判断には、法令の解釈適用を
誤った違法があるものというべきである。

これに加え、原審は、安全配慮義務違反等に基づく損害賠償請求
のうち休業損害に係る請求について、その損害賠償の額から
本件傷病手当金等の上告人保有分を控除しているが、その
損害賠償金は、被上告人における過重な業務によって発症し
増悪した本件鬱病に起因する休業損害につき業務上の疾病に
よる損害の賠償として支払われるべきものであるところ、本件
傷病手当金等は、業務外の事由による疾病等に関する保険給付
として支給されるものであるから(健康保険法1条、55条1項)、
上記の上告人保有分は、不当利得として本件健康保険組合に
返還されるべきものであって、これを上記損害賠償の額から控除
することはできないというべきである。
また、原審は、上記請求について、上記損害賠償の額からいまだ
支給決定を受けていない休業補償給付の額を控除しているが、
いまだ現実の支給がされていない以上、これを控除することは
できない
(最高裁昭和50年(オ)第621号同52年10月25日
第三小法廷判決・民集31巻6号836頁参照)。
これらによれば、上記請求について、上記損害賠償の額を定める
に当たり、上記の各金員の額を控除した原審の判断には、法令
の解釈適用を誤った違法があるものというべきである。

■過去の出題例
<平成27年 労一 問2B>
使用者は、労働者にとって過重な業務が続く中でその体調の
悪化が看取される場合には、神経科の医院への通院、その
診断に係る病名、神経症に適応のある薬剤の処方など労働者
の精神的健康に関する情報については労働者本人からの
積極的な申告が期待し難いことを前提とした上で、必要に応じて
その業務を軽減するなど労働者の心身の健康への配慮に努める
必要があるものというべきであるとするのが、最高裁判所の
判例である。

<解答>

HPでは、他の判例も確認していきます。
↓↓↓↓↓↓↓
http://syarobe.com/hanrei/hanrei-index.htm

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▼【コラム】

こんにちは。しゃろび横断整理担当のわ〜さんです。

さて、本試験まで3か月余りとなりました。

受験生の方は、すでに本試験の申し込みはされましたでしょうか?
申込期間が今月末までとなっているので、
まだの方は急いでお申し込みください。

ちなみに、昨年の受験申込者数は53,618人で、
3年連続5万3千人台となっています。

また、昨年の受験者数は43,421人(受験率:81.0%)で、
受験申込みをしたけれど、約2割の方が受験をしなかった計算になります。
これはもったいないですね...。
受験費用(15,000円)をドブに捨てたような形になります。

そんな中、昨年、見事合格された方は、
2,376人(合格率:5.5%)という結果でした。

そうです!
社労士試験って、100人受けて5〜6人程しか受からない
超〜難関試験なんですよね。

でも、だからといって、
「今年は勉強できていないので無理っ!来年受験しよう。」
と思うのは、少し違うと思います。

「今のままではダメだから申し込まない。」ではなく、
「今から、より一層頑張って合格するために申し込む。」
ということであって欲しいですね。
(申し込まなかったら絶対勉強しなくなりますしね...。)

中には、社労士試験はマーク式だから「もしかすると合格するかも?」
という淡い期待を持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、
各科目ごとに合格基準があるので、その可能性はほぼないでしょう。

でもまだ時間はあります! まだ追いつけます! 今なら大丈夫です!

悔いを残さないよう目一杯頑張ってください!!

─────────────(ノ ̄▽ ̄)ノ 以上、コラム でした。

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