被保険者の種類と実施機関

 ■ 厚生年金被保険者の種別

 当然被保険者
 @ 第1号厚生年金被保険者(A〜C以外の厚生年金保険の被保険者)
 A 第2号厚生年金被保険者(国家公務員共済組合の組合員たる厚生年金保険の被保険者)
 B 第3号厚生年金被保険者(地方公務員共済組合の組合員たる厚生年金保険の被保険者)
 C 第4号厚生年金被保険者(私立学校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度
   の加入者たる厚生年金保険の被保険者)

 任意加入被保険者
 @ 任意単独被保険者
 A 高齢任意加入被保険者

 ■ 厚生年金被保険者の実施期間

 @ 厚生労働大臣
   第1号厚生年金被保険者の資格、標準報酬、事業所及び被保険者期間、第1号厚生年金
   被保険者期間に基づく保険給付、受給権者、国民年金法の規定による基礎年金拠出金の
   負担、保険料その他この法律の規定による徴収金並びに保険料に係る運用に関する事務
   を行います。

 A 国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会
   第2号厚生年金被保険者の資格、標準報酬、事業所及び被保険者期間、第2号厚生年金
   被保険者期間に基づく保険給付、受給権者、国民年金法の規定による基礎年金拠出金の
   納付及び厚生年金保険法の規定による拠出金の納付、保険料その他この法律の規定に
   よる徴収金並びに保険料に係る運用に関する事務を行います。

 B 地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会及び地方公務員共済組合連合会
   第3号厚生年金被保険者の資格、標準報酬、事業所及び被保険者期間、第3号厚生年金
   被保険者期間に基づく保険給付、受給権者、国民年金法の規定による基礎年金拠出金の
   納付及び厚生年金保険法の規定による拠出金の納付、保険料その他この法律の規定に
   よる徴収金並びに保険料に係る運用に関する事務を行います。

 
C 日本私立学校振興・共済事業団
   第4号厚生年金被保険者の資格、標準報酬、事業所及び被保険者期間、第4号厚生年金
   被保険者期間に基づく保険給付、受給権者、国民年金法の規定による基礎年金拠出金の
   納付及び厚生年金保険法の規定による拠出金の納付、保険料その他この法律の規定に
   よる徴収金並びに保険料に係る運用に関する事務を行います。
 

 厚生年金の適用事業所

 ■ 適用事業所

 事業所又は船舶を単位として適用されますが、強制適用事業所となるのは、法律上当然に適用
 事業所となる事業所のことで、具体的には、法人や船舶が該当します。
 船舶といわれ、唐突に感じるかもしれませんが、元々、船員保険の年金部門として扱われていた
 のが、昭和60年の改正で、厚生年金に統合されたため船舶も適用事業所になっています。
 ちなみに、船員の医療保険部分は、船員保険が適用されるので、健保では船員は適用除外とな
 っています。

 ■ 任意適用事業所

 さっきの逆で、厚生年金が当然には適用されない事業所のことです。
 ニュアンス的には、「入りたいのなら入れてあげてもいいけど、大丈夫かな?」といった感じで、
 どちらかというと消極的に思えますね。
 事業主の申請が必要です。次の事業所と船舶が任意適用事業所になります。

 @ 法定16業種であって、常時5人未満の従業員を使用する個人経営の事業所
 A 法定16業種以外の個人経営の事業所
 B 総トン数5トン未満の船舶
 C 総トン数5トン以上の湖・川・港のみを航行する船舶等
 D 政令で定める総トン数30トン未満の漁船

 ※ 法定16業種とは、物の製造など厚生年金保険法6条1項1号掲げられた16の業種のことで
   す。逆に、法定16業種以外には、次の4つがあげられます。

 【 法廷16業種以外の業種 】

@ 第一次産業(農林水産等)
A 接客娯楽(旅館、料理飲食等)
B 法務(弁護士、税理士、社労士の事務所等)
C 宗教(神社、寺院、教会等)

 ※ 法定16業種以外の場合、個人経営であれば人数に制限はないので、例えば、個人経営の
   弁護士事務所で、従業員が10人いようが20人いようが、任意適用事業所です。

 当然被保険者・任意単独被保険者・高齢任意加入被保険者
 ■ 当然被保険者

 適用事業所に使用される70歳未満の者です。ただし適用除外となる者は除きます。
 法人の代表取締役は、その法人から労働の対償として報酬を受けていれば、その法人に使用さ
 れる者として被保険者資格を取得します。

 ■ 任意単独被保険者

 厚生年金は、事業所単位で適用されます。したがって、任意適用事業所が任意加入をしなかっ
 たときは、そこで使用される者は厚生年金保険の被保険者となりません。しかし、次の条件を満
 たせば、個人単位で被保険者になることができます。これが任意単独被保険者です。

 @ 適用事業所以外の事業所(任意適用事業所で任意加入していない事業所のこと)に使用され
   る70歳未満の者であること
 A 事業主の同意を得ること
 B 厚生労働大臣の認可を受けること

 ■ 高齢任意加入被保険者

 70歳になると、厚生年金の被保険者(当然被保険者、任意単独被保険者)になることはできませ
 ん。ただし、70歳以上でも、老齢又は退職の年金給付の受給権を持っていない場合には、例外
 的に、次の要件を満たすことで高齢任意加入被保険者となることができます。

 ( 使用される事業所が「適用事業所」であるとき )
 ・実施機関に申し出ること

 ( 使用される事業所が「適用事業所以外の事業所」であるとき )
 ・事業主の同意を得ること
 ・厚生労働大臣の認可を受けること

 最初に、適用事業所に関する考え方が大事になってくるといいましたが、こういうところに出てき
 ますね。
 要するに、「適用事業所」のときは、既に、事業所として厚生年金の適用を受けているから、厚生
 実施機関に申し出ることでOKです。
 これに対し、「適用事業所以外の事業所」のときは、事業所として厚生年金に加入していないのに、
 特定の従業員を被保険者にするというのだから、いわば特例扱いすることになるので、事業主の
 同意と厚生労働大臣の認可が求められます。

 また、適用事業所と適用事業所以外の事業所では、保険料の負担と納付義務についても、取扱
 いが違うので要注意です。

 ( 使用される事業所が「適用事業所」であるとき )

 ・高齢任意加入被保険者自身が全額自己負担し、自ら納付義務を負う。ただし、事業主が「保険
  料の半額負担」と「労働者負担分と事業主負担分の保険料合算額の納付義務」について、同意
  したときは、高齢任意加入被保険者自身は半額負担となる。

 
( 使用される事業所が「適用事業所以外の事業所」であるとき )
 ・高齢任意加入被保険者は、半額負担し、事業主が、労働者負担分と事業主負担分の保険料
  合算額の納付義務を負う。

 「適用事業所」のときは、あっさり、高齢でも任意加入なんだから全額自己負担です。でも、例外
 的に、事業主がOKすれば半額負担になります。
 一方、「適用事業所以外の事業所」の場合は、保険料負担と納付義務に関する事業所の同意が
 含まれるので、最初から、労使折半になっています。