社労士受験のきっかけは、勤め先のクライアントから寄せられる相談に、人事や総務系の話が多かったこと
 です。
 実際に社労士とタイアップしていっしょに仕事したこともありました。

 毎年、昇給の季節になると
  「みんなの給料なんぼにしたらええんかな?」(昇給なんて今では死語ですね) 
 ボーナスの時季には、
  「今年は(世間相場は)どんなもんや? 減らしたら、みんな怒りよるやろな・・・」 
 (従業員から有給の請求があって)
  「ろくに働きもせんのに、なんで有給やらなあかんねん!」 
 (どこで聞いたのか要件も満たしていないのに)
  「ええ助成金あるそうやな?うちやったらなんぼ貰えんねん?」
 (ハローワークに募集の手続きに行ったら雇用保険が未加入になってて)
  「雇用保険って、うちみたいなとこでも入らなあかんのか?」
 と、まあ、出るわ出るわ・・・。

 時には、「弊社の賃金評価制度のあり方について貴見を伺いたい!」などというのもありましたが、圧倒的
 にベタな話が多かったですね。
 同時に、次元はともかく世間の中小零細企業の経営者は、こと「人に関する問題」で悩んでいるのも事実で
 した。

 というわけで、資格学校の宣伝文句「人事・労務のスペシャリストになって大いに飛躍しよう!!」
 にあおられて(?)4年にわたる受験が始まったのです。

 昔、今ほど難しくなかった頃、受験1回(しかも独学)で行政書士を取っていたので、
 社労士も「ちょっとやればいけるだろう!」とタカをくくってしまったのが、その後の受験を長いものにしてしまった
 一番の原因でした。


 1年目は独学で本試験に臨み歯が立たずダメ!(独学で不可能ではないけど実際にはね・・・)

 それでも選択式(当時は記述式)は遠く及ばなかったものの択一式は、そこそこいい線までいけたので、
 「学校に行けば楽勝だろう。」と、これまた安易に考え、2年目は専門学校の通学講座で勉強することに
 しました。
 アウトプットに重点を置いた再受験者向けのパック講座です。

 完璧を期したはずの通学が、いざ受講してみると基本知識が不十分で講座の内容についていけず四苦八苦。
 しかも、職場での有形無形のプレッシャーからろくに通学できないまま、まったくの準備不足で本試験を
 迎えあえなく不合格!
 (巷では直前になって記述式から選択式に変わったこともあって、いろいろ騒いでいたようです。ちなみに
 成績は、ハッキリ覚えていないけど選択式は合格ラインをクリア。択一式であと5点ほど足らなかったと
 思います)

 続いて3年目。
 「基本がなっておらん!」との深い反省から、インプットの基幹講座をメインに答練、模試をパックにした
 講座に切り替え、一からやり直すことにしました。

 11月に講座が始まって数ヵ月後、すったもんだのあげく勤めていた会社をリストラ同然で辞め、行政書士
 事務所の開業に踏み切りました。(開業当初から仕事があるはずもなくほぼ失業状態)

 独立したことで、勉強に専念できる環境になり、模試でもそれなりの結果が出ていたので
 「今年こそ大丈夫!」と思いきや・・・
 選択式の労基・安衛で大失敗をやらかし1点しか取れずあえなく撃沈!(その年の足切りラインは2点でした)

 「今度こそ!」と背水の陣で臨み、択一が合格ラインを超えていたこともあって、選択のわずか1点足りない
 のが悔しくショックでした。

 同時に、このとき初めて「社労士試験は怖い!」と実感しました。
 合格者の9割近くは受験1〜3回までで占められています。
 1年目で受かった人が「先生!合格したよ〜ありがとう!」報告に来ているのを横目で複雑な思いで見ながら、
 いまや完全にベテラン受験生の仲間入り(?)となった自分と向き合わざるを得ませんでした。

 4年目に入り学校を変えることも考えましたが、継続受講割引の魔力(?)(魅力じゃないよ。魔力であって
 いるからね。)には勝てず、昨年と同じパック講座に申し込みました。

 答練が始まると、あせりとプレッシャーに加え、前年の失敗(足切り)から、細かいことがあれこれ気になり
 だし、知識が空回りしはじめました。

 なんて言うか、ただ機械的な繰り返し、つまり過去問、答練、模試のアウトプット群とテキスト、横断学習、
 改正法対策のインプット群との間を行ったり来たりするだけで一向に記憶レベルの知識、あるいは応用の
 ベースとなる基礎知識として身についていかない感覚でした。(こういうのを出口の見えない状態というの
 でしょうか?)

 かといって、止めるわけにもいかないので、ほとんど意地で続けていましたが、他校の模試の結果が極端に
 悪かったことで吹っ切れました。

 「直前になってこの成績では今年も無理かもしれない。でも、いまさらあきらめるわけには行かない。
 どうせならとことん付き合ってやろう。この先、まだ何年かかるかも分からないけど、受かるまで続けてやろう・・・」
 と。

 そう開き直ると、妙に気分が軽くなり、とにかく足切りだけに専念しました。
 (みなさん!「足切り」は試験科目のひとつと心得ましょう)

 おかげで(?)それなりにプレッシャーはあったものの比較的落ち着いて本試験当日を迎えることができま
 した。

 で、ようやく合格することができたわけですが、成績は選択35点、択一46点でした。
 めでたし、めでたし。(全科目とも足切り4点ラインをクリアー)

 最後に、社労士試験は1年、2年で合格できなくても続けてさえいれば、なんとかなる試験だと思います。

 もちろんそれぞれ事情が違うから、途中で断念せざるを得ない人も多くいます。
 現に、私の周りにもそういう人は少なからずいます。

 だから、賭けに近いハイリスクなことはお奨めしませんが、事情が許す限り「あなどらず」「あせらず」
 「あきらめず」で貫いてください。

 「しゃろび」が頑張るあなたをしっかりサポートします!!

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