労働基準法 総則

均等待遇 (第3条)
 

 
使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他
 の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

■ 厳選通達
1.その他の労働条件の意義(昭23.6.16 基収1365号) 重要度B
チェック欄□□□
 「その他の労働条件」には解雇、災害補償、安全衛生、寄宿舎等に関する条件も含む趣旨である。
 ( 解説 )
 「その他の労働条件」とは、職場における一切の待遇をいうが、「雇入れ」に関しては、一般的に
 労働条件とは考えられないため含まれない。
 ( 参考
 三菱樹脂事件 (昭48.12.12 最高裁)
 使用者は、労働者雇入れの自由を有するから、その者の思想、信条を理由として採用を拒否す
 ることも許される。

男女同一賃金の原則 (第4条)
 

 
使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱い
 をしてはならない。

■ 厳選通達
2.差別待遇を定める就業規則(昭23.12.25 基収4281号) 重要度B
チェック欄□□□
 就業規則に労働者が女性であることを理由として、賃金について男性と差別的取扱いをする趣
 旨の規定があっても、現実に男女差別待遇の事実がなければ、その規定は無効であるが、法
 4条違反とはならない。
3.差別的取扱い(昭22.9.13 発基17号) 重要度B
チェック欄□□□
 職務、能率、技能、年齢、勤続年数等が同一である場合において、男性はすべて月給制、女性
 はすべて日給制とし、男性たる月給者がその労働日数の如何にかかわらず月に対する賃金が
 一定額であるのに対し、女性たる日給者がその労働日数の多寡によってその月に対する賃金
 が前記の男性の一定額と異なる場合は本条違反となる。
 ( 参考
 差別的取扱いをするとは、不利に取扱う場合のみならず有利に取扱う場合も含む。

強制労働の禁止 (第5条)
 

 
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段に
 よって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

■ 厳選通達
4.精神又は身体の自由を不当に拘束する手段(昭22.9.13 発基17号) 重要度B
チェック欄□□□
 「精神又は身体の自由を不当に拘束する手段」とは、長期労働契約(法14条)、労働契約不履行
 に関する賠償額予定契約(法16条)、前借金相殺(法17条)、強制貯金(法18条)等が該当する。
 また、「不当」とは、「不法」なものだけに限らず、社会通念上認めることができない程度のものを
 含む。
5.意思に反する労働の強制(昭23.3.2 基発381号) 重要度B
チェック欄□□□
 「労働者の意思に反して労働を強制する」とは、不当な手段を用いることによって、労働者の意
 思を抑圧して労働することを強要することをいい、必ずしも労働者が現実に労働することを必要
 としない。
 ( 参考
 詐欺の手段が用いられても、通常労働者は無意識の状態であって意思を抑圧されるものでは
 ないから。必ずしもそれ自体としては法5条に該当しない。

中間搾取の排除 (第6条)
 

 
何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得て
 はならない。

■ 厳選通達
6.「何人も」の範囲(昭23.3.2 基発381号) 重要度B
チェック欄□□□
 違反行為の主体は「他人の就業に介入して利益を得る」第三者であって、「何人も」とは法6条の
 適用を受ける事業主に限定されず、個人、団体又は公人、私人を問わない。したがって、公務員
 であっても、違反行為の主体となる。
7.「業として利益を得る」の意義(昭23.3.2 基発381号) 重要度B
チェック欄□□□
 「業として利益を得る」とは、営利を目的として、同種の行為を反復継続することをいう。したがっ
 て、一回の行為であっても、反復継続して利益を得る意思があれば足りる。また、「利益」に
 ついては、使用者より利益を得る場合に限らず、労働者又は第三者より利益を得る場合も含
 まれる。