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労働保険の一般非常識!の部
−情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン@− |
今回は、情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドラインからの出題です。 労働者が情報通信技術を利用して行う事業場外勤務(以下、「テレワーク」という。)は、業務を行う場所に応じて、労働者の自宅で業務を行う在宅勤務、労働者の属するメインのオフィス以外に設けられたオフィスを利用するサテライトオフィス勤務、ノートパソコンや携帯電話等を活用して臨機応変に選択した場所で業務を行うモバイル勤務といった分類がされます。 いずれも、労働者が所属する事業場での勤務に比べて、働く時間や場所を柔軟に活用することが可能であり、通勤時間の短縮及びこれに伴う精神的・身体的負担の軽減、仕事に集中できる環境での就労による業務効率化及びこれに伴う時間外労働の削減、育児や介護と仕事の両立の一助となる等、労働者にとって仕事と生活の調和を図ることが可能となるといったメリットを有しています。 また、使用者にとっても、業務効率化による生産性の向上、育児・介護等を理由とした労働者の離職の防止や、遠隔地の優秀な人材の確保、オフィスコストの削減等のメリットを有しています。 文中の【 】で囲った部分は選択式、囲っていなくて色文字になってる箇所は択一で問われる可能性があります。
通常の労働時間制度に基づき【テレワーク】を行う場合についても、使用者は、その労働者の労働時間について【適正に把握する責務】を有し、みなし労働時間制が適用される労働者や労働基準法第41条に規定する労働者を除き、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(平成29年1月20日策定)に基づき、適切に労働時間管理を行わなければならない。 同ガイドラインにおいては、労働時間を記録する原則的な方法として、【パソコンの使用時間の記録等】の客観的な記録によること等が挙げられている。また、やむを得ず【自己申告制】によって労働時間の把握を行う場合においても、同ガイドラインを踏まえた措置を講ずる必要がある。 いわゆる【中抜け時間】について、在宅勤務等の【テレワーク】に際しては、一定程度労働者が業務から離れる時間が生じやすいと考えられる。 なお、始業や終業の時刻の変更が行われることがある場合には、その旨を【就業規則】に記載しておかなければならない。また、【時間単位の年次有給休暇】を与える場合には、【労使協定】の締結が必要である。 通勤時間や出張旅行中の【移動時間】中の【テレワーク】については、【テレワーク】の性質上、通勤時間や出張旅行中の【移動時間】に情報通信機器を用いて業務を行うことが可能である。これらの時間について、使用者の【明示又は黙示の指揮命令下】で行われるものについては労働時間に該当する。 また、勤務時間の一部で【テレワーク】を行う際の【移動時間】について午前中だけ自宅やサテライトオフィスで勤務をしたのち、午後からオフィスに出勤する場合等、勤務時間の一部で【テレワーク】を行う場合がある。こうした場合の就業場所間の【移動時間】が労働時間に該当するのか否かについては、使用者の指揮命令下に置かれている時間であるか否かにより、個別具体的に判断されることになる。 使用者が移動することを労働者に命ずることなく、単に労働者自らの都合により就業場所間を移動し、その【自由利用が保障】されているような時間については、【休憩時間】として取り扱うことが考えられる。但し、その場合であっても、使用者の指示を受けてモバイル勤務等に従事した場合には、その時間は労働時間に該当する。 一方で、使用者が労働者に対し業務に従事するために必要な就業場所間の移動を命じており、その間の自由利用が保障されていない場合の【移動時間】は、労働時間と考えられる。例えば、【テレワーク】中の労働者に対して、使用者が具体的な業務のために急きょ至急の出社を求めたような場合は、当該【移動時間】は労働時間に当たる。 なお、【テレワーク】の制度の導入に当たっては、いわゆる中抜け時間や部分的【テレワーク】の【移動時間】の取扱いについて、上記の考え方に基づき、労働者と使用者との間でその取扱いについて合意を得ておくことが望ましい。
ご理解は進みましたでしょうか。今回は、情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドラインについてまとめてみました。 |