基礎年金の財源


 基礎年金の財源は、保険料・基礎年金拠出金・国庫負担からなっていますが、基礎年金の給付
 に要する費用は、国民年金制度、厚生年金保険制度及び共済組合制度が集めた保険料(掛金)
 の中から負担する「基礎年金拠出金」と「国庫負担」により賄われています。



 保険料


 ■ 第1号被保険者
 自らが直接保険料を納めます(任意加入被保険者を含む)。
 定額の保険料を毎月納付し、その集めた保険料の一部を基礎年金拠出金として毎年度負担し
 ます。(国民年金法87条、88条)
 保険料には、「定額保険料」と「付加保険料」の2種類があります。 

 ■ 第2号被保険者
 加入している被用者年金制度の保険者が集めた保険料や掛金などの一部を基礎年金拠出金と
 して毎年度負担します。
 (国民年金法94条の2、94条の3、94条の6)

 ■ 第3号被保険者
 配偶者である第2号被保険者が加入している被用者年金制度の保険者が集めた保険料や掛金
 などの一部を基礎年金拠出金として毎年度負担します。
 (国民年金法94条の2、94条の3、94条の6) 

 一般的な話として、夫が第2号被保険者で、妻が第3号被保険者であるときの保険料は、夫が
 加入している厚生年金や共済組合(被用者年金制度)から、その妻の分も含めて、「基礎年金
 拠出金」として国民年金の基礎年金勘定に拠出しているということです。
 もう誤解はないと思いますが、決して、夫が妻の分を負担しているわけではありません。

 ■ 定額保険料
 第1号被保険者および任意加入被保険者が負担する保険料で、額は、平成16年度の保険料額
 13,300円/月をベースにして、平成17年度から毎年度引き上げられ、平成29年度以降は、
 16,900円/月(平成16年価格)に固定することとされています。(国民年金法87条3項)
 また、平成17年度以降の保険料額は、各年度の保険料水準(平成16年価格)にその年度の保
 険料改定率(賃金や物価の変動に応じて政令で定められる率)を乗じて得た額がその年度の保
 険料額となります。
 (平成16年改正法による改正後の87条3項〜6項、平成16年改正法附則18条他)

 ■
付加保険料
 第1号被保険者(任意加入被保険者含む)の希望によって負担する保険料で、定額保険料とあ
 わせて「付加保険料(400円/月)」を納めます。
 老齢基礎年金を受給するときに付加保険料を納めた期間(月数)に応じた付加年金を老齢基礎
 年金と併せて受給します。ただし、「保険料の免除」を受けている者、「国民年金基金」の加入者
 は納めることはできません。



 国庫負担


 平成16年法律改正で、国庫負担の割合は段階的に2分の1までに引き上げることになったので
 すが、ようやく段階的引き上げが終わり完成するところです。
 (国民年金法85条、平成16年改正法附則13条、15条、16条)

 この平成16年改正では、給付と負担の見直しについて、「保険料水準固定方式」という考え方が
 取られました。
 要は、平成17年度以降の保険料額(平成16年度価格)が法律に規定され、最終的な保険料の
 水準(平成29年度以降 16,900円/月)が固定されることになったのです。
 最終の保険料水準を固定することから、従来の5年ごとの保険料の改定(財政再計算)は行わ
 ないこととされています。

 
( 参考:給付と負担の見直しを行う方法

 ● 給付水準維持方式

   財政再計算時に、少子・高齢化などといった様々な社会情勢や賃金や物価の変動などといっ
   た経済情勢の変動を前提にして、現行の給付水準を維持するとしたときに、保険料の金額を
   どこまで引き上げなければならないか、つまり、最終保険料をどれくらいになるかを計算する
   方式のこと。

 ● 保険料水準固定方式
   保険料水準固定方式とは、最終的な保険料の水準を法律に規定し、その保険料の範囲内で
   年金給付を行うことを基本に、少子高齢化などといった様々な社会情勢や賃金や物価の変動
   など経済情勢の変動に応じて給付の水準を自動的に調整する方法のこと。
   平成16年法律改正では、将来の現役世代の過重な負担を回避するため、最終的な保険料
   水準を法律で定め、年金制度を支える力である社会全体の所得や賃金の変動に応じて、時
   間をかけて緩やかに給付水準を自動的に調整する仕組みである「保険料水準固定方式」が
   導入されることとなった。



 基礎年金拠出金

 基礎年金拠出金とは、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、公的年金制度の保険者(国
 民年金・厚生年金保険の保険者である政府及び年金保険者である共済組合)が毎年度負担する
 拠出金のことです。

 基礎年金拠出金の額は、第1号被保険者については、保険料を納付した者の総月数、各被用者
 年金制度ごとにその制度の第2号被保険者(20歳以上60歳未満)の総月数及び第3号被保険
 者の総月数に応じて算出されます。
 

 過去問
平成26年 択一 問3ア 
 第1号被保険者である夫の妻は、夫の保険料を連帯して納付する義務を負う。
 
 (答え) ○
 その通り。なお、世帯主はその世帯に属する被保険者の保険料を連帯して納付する義務を負う
 とされている。
 
平成28年 択一 問7B 
 実施機関たる共済組合等は、毎年度当該年度における保険料・拠出金算定対象額の見込額に
 当該年度における当該実施機関たる共済組合等に係る拠出金按分率の見込値を乗じて得た額
 の基礎年金拠出金を、厚生労働省令の定めるところにより、日本年金機構に納付しなければな
 らない。
 
 (答え) ×
 「日本年金機構」ではなく、「国民年金の管掌者たる政府」に納付しなければならない。
 
平成26年 択一 問4ア 
 保険料4分の1免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用については、480から保険
 料納付済期間の月数を控除して得た月数を限度として、その7分の4を国庫が負担することと
 なる。
 
 (答え) ○
 その通り。
 ≪考え方≫          ●国庫負担 ◎納付済 ○免除 
  ・納付済
  ・4分の1免除
  ・半額免除
  ・4分の3免除
●●●● ◎◎◎◎
●●●● ◎◎◎○
●●●● ◎◎○○
●●●● ◎○○○
 財源全体を国庫負担と保険料に分けて、免除を受けていない(●◎)7つのうち国庫負担分(●)
 は4つ。つまり7分の4。